無垢な少女とツンデレ少年橘君
タイトル未編集
『渋谷ー、渋谷ー』

 アナウンスで私は目が覚めた。
 どれくらい眠っていただろう?
 
 ふと車窓から外を眺めると、

「ふぁわああ! なにこれ! ビル! 人!」

 地元には一つもなかったビル。
 情報誌やネットでしか見たことなかった。
 実際にあるなんて――本当にここ日本?

「あの子」「ちょっと静かにして」

 耳に入った内容に思わず赤面する。
 そりゃそうだ。
 私からしたら「ここ」は異世界だけど、他の人たちは普通に何年も過ごしているわけ。

「あ、すみません!」

 私は電車が止まると同時に外に出た。
 一番最初に出たと思ったのに、人の流れに押しつぶされそうになる。
 朝ではないのにこれだ。

 本当の満員電車とか通勤ラッシュってどれくらい恐ろしいのだろう。私は明日からの生活に少し気後れしそうになる。

 だけど、ここで諦めたらいけない。

(私は今日からここで生きるんだ!)

 大都会――東京で!
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