DISTOPIA EMPEROR―絶対王者は破滅を命ず―
五幕:姉弟_his_sister_and_he

「期待してるわ。戦わなきゃね」



十二時間のフライトはつつがなく終了した。



映画を観てたら、寝るタイミングを逃した。


まあ、もともとそんなに長時間睡眠しなくても生きていられる体質だけど、かれこれ三十時間近く起きっぱなしだから、さすがに若干グロッキーだ。


最後に出てきた機内食のパスタが胃にズシンと来てる。



いやいや、たかだか時差ボケと寝不足のせいで胃もたれとか。


ピチピチの十七歳が、何をおっさんくせーこと言ってんだか。



「理仁《りひと》、降りるわよ。起きてんでしょ?」



姉貴はおれに声を掛けて、颯爽《さっそう》と席を立った。


化粧してないからってんで、薄く透ける大きなサングラスで顔の半分を隠している。


姉貴はすっぴんのがかわいいと思うんだけどね、おれは。


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