大好きな先輩は隠れ御曹司でした
9.
初めて会った日の翌日に光希の仕事帰りに合わせてお茶をしたのを皮切りに、二週間の間に清花とは三度も会った。
岡澤が出張で不在なせいで光希に時間があった事もあるが、二人に共通点があった事が分かったからだ。

その日、大学の帰りだという清花は数冊の本を持っていたのだが、その中に光希にとって馴染み深いモノがあった。
考古学の教科書だ。

清花は光希と同じ考古学オタクだったのだ。

いや、考古学オタクなのにとてもオシャレなのだから、同じなのは光希でなく岡澤だが。

「凄いです!この趣味を共有出来る人と偶然に出会えるなんて」

「そうだね。大学の学部かサークルで分かりやすく出会う以外には難しいもんね」

「だから最初からお友達になりたいって思ったのかもです」
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