大好きな先輩は隠れ御曹司でした
自分にとって一番身近なお嬢様である清花は良いサンプルだと、突っ込んだ質問もしてみる。

「習い事ですか?そうですね……英会話以外でしたら茶華道とお習字、着付けとスイミング。あとは絵画教室にも行っていました」

「そんなに!?」

「まぁ、親の体面もありますので……」

令嬢として生きるのも案外大変なのだ、と苦笑する清花に光希も笑いが引きつる。

「とりあえずは英会話、かな」

何もお嬢様と戦うと決まった訳じゃない。岡澤と一緒にいるために習得するのだから、無理をする必要はない。

気持ちにつられて、いつの間に合にか前のめりになっていた姿勢を正して、ゆったりと座り直した。

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