哀しき野良犬
「社長・・・・だって俺」

まだ2ヶ月しか働いていないのに。

と言おうとしたが、社長の優しさに涙が込み上げて言葉が途切れてしまった。

「困ったことがあればいつでも戻って来い」

そう言って社長は俺の頭をポンと叩いた。

俺はただひたすら頭を下げた。

事務所から出ると長坂先輩はさっきと同じ場所で作業をしていた。
俺の姿に気付いているはずなのに、先輩は俺を見てはくれなかった。
俺はそんな先輩の後姿に黙って頭を下げ、工場を後にした。
< 61 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop