Silver Night-シルバーナイト-



そして次に視線を集めたのはもちろん私だった。



それらはとても良いものと言えるような雰囲気ではなくて、四人全員いるからか……いつもよりもはるかに厳しい視線が集まる。



どうしたものかとすぐ後ろにいた琉聖の陰にこっそりと隠れると、それに気が付いた琉聖が上から私を見下ろしてイタズラ気に笑った。




「何だよ、珍しくビビってんのか」




口角を上げ、ニヤリと笑う琉聖は、私とはうらはらに何故かやけに楽しそうでムカつく。



だけど、彼女達にとったらこれさえも逆効果だったのか…結局は睨まれる始末で…



もうどうしたら良いのか分からずため息を吐き出すと、いきなり後ろへと腕が引かれた。



「な、何!?」



あまりに突然の出来事に後ろへと振り返れば、そこに立っているのは梓。



梓はそのまま引き寄せていた私の腕を離すと、次はそれを私の肩へと回してくる。



え、え…何?どういうこと……?

いきなりの事に状況が全く理解出来ず唖然としている私と、そんな私達を見て少し驚いている琉聖達。そしてもちろんうるさいほど騒ぎ出す周りの野次馬。




「早くしろ、外にいる」




そう言って放たれた言葉に悠真が「あぁ」とだけ返事をしたのが聞こえた。





触れられている右肩がやけに熱い。





私の肩を抱いたまま歩き出す梓は、この中の誰よりも冷静で落ち着いていて……そんな言葉がやけに店内に響いた。




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