ー神様が恋をした人間ー
ー平和とはかけ離れた世界ー
水晶越しに見た世界は

あまりにも酷いものだった

ティノ「これはどういう事だ!!カナリア!!」

声を荒げカナリアに詰め寄る

カナリア「ティノ 近いですよ…♪

何って見ての通りですよ?」

俺は怒って言ったはずなのに

カナリアは顔を赤らめる

まるで

〝恋をした少女〟のように

ティノ「見ての通りだと!?

早く早く!!対処しろ!!」

そう

水晶越しで見た世界は

俺が心配していたとおり

エリシアが支配していた

エリシアは

最初からリアに恋をしていた

その恋がまだ純粋ならいい

エリシアは違う

あれはただの

〝狂愛〟

リアは逃げ出す事も出来ず

ただ諦めた瞳で

生きた気力もなく

まるで人形のようだった

白い瞳は元の黒い瞳に戻っていた

闇が映し出されるように…

イルはエリシアから

存在を消され

優しいあの子には

一人だという寂しさに

森の中ずっと泣いていた

カナリア「…ティノの頼みならしますよ」

フッとカナリアは目の前から消える

消えたカナリアを見ながら

ティノ「…俺はこんな世界望んでいない…」

ただ

カナリアの対処を待った
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