【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら

「焦げてないですよ……。もう。あの頃は……ごめんなさい。本当に何もできなかったですよね」
最後にお味噌汁を持って、少し距離を置いて部長の隣に座った。

「俺には一生懸命な羽田がかわいかったよ」

そんな言葉をサラリと言われて、私は一気に顔が熱くなる。

「そうですか……。でも私だって成長するんですよ」
照れ隠しのように言った私をジッと見つめて、部長は箸を手に取った。

「そうだな。あの頃よりずっときれいになった」
その言葉に私はお茶を吹き出しそうになった。

もうなんなの。
昔から確かに、「かわいい」「好き」「一緒にいたい」自分の気持ちをストレートに言う人だったが、それは部下に対しても変わらないようだった。

本当に誰にでも優しいんだから……。
女たらしというか、人たらし?そんな事を内心思いながら私も箸を手に取る。
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