【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「今日から何日いないんだっけ?」
お味噌汁を飲みながら聞いた私は、少し寂しい顔をしてしまったのだろう、優悟君は優しく笑った。

「10日間。寂しい?」
イジワルそうにいった優悟君を、私は軽く睨んだ。

「俺は寂しいよ。毎日電話するな」

「オーストラリアから?」
少しうれしくなって聞いた私に、優悟君も頷いた。


「でも、来週末は実家に行ってこようと思ってるの」
食器を片付けながら言った私に、優悟君は少し顔を歪めた。

「俺もご挨拶に行きたかったのに」

「また、一緒に行って?」


微笑んだ私に、「よろしく言っといて」そう言ってこれでもかと私を抱きしめた後、優悟君は出かけていった。




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