【2025.番外編&全編再掲載】甘い罠に溺れたら
「でも、部長お疲れなんじゃない?」
さりげなく言った言葉に、すぐに部長は言葉を返した。
「少しだけ行くか。でも少しだけだぞ。パッとやるのは契約がとれてからだからな」
その言葉にそこにいた人々が、楽しそうに声を上げる。
「沙耶さんも行きますよね」
部長のせいにしたのに、その部長が行くとなればもう私に断る理由はなかった。
「そうね。じゃあ行こうか」
その言葉に満ちゃんが、「沙耶さんも行くって言ってまーす」と楽しそうにみんなに報告しに輪の中に入っていった。
いつのまにか店まで決まっていて、私はなるべく部長に関わらなければいい。そう自分に言い聞かせた。