凛々しく、可憐な許婚
「君が嫌がることはしないと誓うから、今夜から俺と一緒に同じベッドで眠ってくれないか?」

唇を離すと、尊が懇願するような目をして言った。

「君と一緒にいたいんだ。同じ家にいるのに離れて過ごすなんて、もうできない」

「,,,いいですよ。尊さんがそれで満足するなら」

「順番が逆になったけど、俺は君が好きだ。ずっと側にいてほしい」

「私で良ければお願いします」

尊は、咲夜の後頭部に手を回して引き寄せると、さっきよりも情熱的なキスをした。

「嬉しいよ。絶対に大切にする」

今までだって十分大切に見守ってくれていた。咲夜のために必要以上の努力を重ねてくれていた。

咲夜の中に、尊に対する好意以上の感情が広がって、自分でもコントロールがつかない状況になりつつあった。

それから二人は同じベッドに横になると幼い子供のように体を寄せ合って眠った。

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