主任、それは ハンソク です!
12 / 主任、あなたをもっと知りたかったです

 結局、どの案を出すのかは決めきれず、カジタツさんにすべてをゆだねる形になった。

 どうやら夜も食事会をするらしい。私も、みなさん(特に、なぜかよく解らないけれど、カジタツさんの奥様)に強く誘われたけれど、丁寧にお断りした。

 正直なところ、すごく心惹かれたけど、これ以上、いろいろと波風立てるのは良くないだろうから。

「ヨーコさん」

 主任が社に戻るタクシーの中で、前方をねめつけたまま、ぼそりと呟いた。

「何か、俺に言う事ないか?」
「え?」

 嫌な予感に駆られて、そっと横目で隣を伺う。

「別に、何も」
「……なら、いい」

 どうしたんだろう、ちょっと不穏な空気が流れてる。

「あのぉ~」
「今週末、何か予定はあるか?」

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