主任、それは ハンソク です!

 主任が叩くキーボードの音だけが室内に響いている。主任の次の言葉を待っているけど、だんだんいたたまれない気持ちになってくる。

 その時。モニタから主任が顔を上げた。

「もし、俺宛てで連絡が入ったら、会議室の内線鳴らしてくれ。たぶん、梶山ってのから連絡が来るはずだから」

 カジヤマ、の一言に心臓がドクンと鳴った。
 私はぎこちなく頷くと、そのまま自分の席に駆け込んだ。



< 68 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop