死にたがりな彼女

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【複雑な彼女】




久しぶりに歩く太陽の下は、辛い。


僕たちは何も語り合うことなく、目的もない、無謀な【散歩】を始めた。


ソウェルは小さな脚を忙しなく動かし、僕はソウェルの二倍以上はある脚をゆっくりと動かして石畳の上を歩く。


繋がれた小さな手は僕の手をちゃんと握り締めて体温を此方に与えている。


紅葉めいた並木道は綺麗だといえそうだが、太陽に当てられていたんじゃ、その美しさは半減する。


夜月の光に照らされて、妖しく輝く木々なら、いいのに。


視線の先は眩しい太陽の光を浴びる石。


痛む目をたまに固く瞑りながら、僕たちは暫く歩いた。



「ねぇ、ソウェル」



耐え切れなくなって、問いかける。



「なぁに、シーファ」



「どうやって死ぬつもり?僕は太陽に当たってるだけで既に死にそうなんだけど」



目をシパシパしながら、僕はソウェルに話し掛ける。


冗談抜きで、辛い。




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