君と永遠に続く恋をしよう
だから、取り敢えずは俺が君達家族との仲介役になれるようにと思って、先に家の中へ入ろうと決めたんだよ。
それから折を見て、お父さん達には明日香のことを教えてやろうと思ってたんだ」


その前に私に見つかってしまった。
でも、今考え直すと、それは賢也がくれたチャンスだったのかもしれない…と桜庭さんは言う。


「もうこれ以上深入りをするなっていう意味だったのかもしれない。俺には別の役割があるだろうって意味で、あの場で君に見つかったのかも」


折しもその場所が、兄が勤めてた区役所の横だった。

桜庭さんは、もしも魂が存在するなら、賢也はあの場所でいつも彼女を見守ってたのかもしれない…と語った。


確かにあの時、私は何かに突き動かされる様に彼の方へと向かって行った。

頭の芯はぼうっとしてて、そんなに近付きたくもなかった筈なのに、何かに押される様に前へと足を進めた。



「そうかも…」


納得する様な声を発すると、桜庭さんは「そうだろ」と言い返す。だけど、私は色々とまだ納得がいかないものだから、彼に向き合い、「最初から全部教えて欲しい」とお願いした。


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