君と永遠に続く恋をしよう
する必要なんてないでしょ、と言うんだが、俺はそれを聞いて、何だか自分がだらしなく思われてる様に感じた。


「俺はどうせ飲んだくれだよ」


妙にイラついているのもハッキリ理由は分かっている。
彼女が平野に見せている顔は、俺とは全く別ものだったからだ。


はぁ…と重く溜息を吐き、ぎゅっと彼女の手を握る指先に力を込める。

どうして会ってまだ三度目の相手に、自分がこんなにものめり込んでるのかが分からない。

親友に頼まれたから…というだけでなく、彼女のこの手を離したくないような気分がしていた。


「桜庭さん?」


家に帰る途中みたいに「離して」と言わない相手は、どうも俺が飲み過ぎて、普通じゃないと感じてたんだろう。


「大丈夫ですか?」


帰れそうですか?と問う声がもっと間近で聞きたくなり、思わずぐいっと腕を手前に引き寄せた。

わ…と驚く彼女が膝元に倒れ込んでくる。
瞬間ふわりとシャンプーかコロンが香り、それに胸を震わせてしまった。


「もう、何するんですか!」


酔っ払い過ぎですよ、と顔を上げる相手を食い入る様に見つめ、この女は自分のものにする…と再度心に決め直した。

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