君と永遠に続く恋をしよう
「君の過去は賢也が飲みながら色々と話してくれたから、これで『おあいこ』だね」


そう言って笑う桜庭さんのことを私は少しいい人だな…と思い始めた。

場の雰囲気を楽しくさせるのが上手いと言うか、彼と話してると、もっともっと…と先を聞きたくなってしまう。

だけど、大事な部分はちゃんと隠して話さなくて、亡くなった兄のことをきちんと大事にしてくれてるんだと思えた。


こういう人だから、兄は私を恋人にしろよ、と彼に勧めたのだろうか。
それとも他に理由があって、彼なら私にピッタリだと思ったの?


それがあるとしたら何だろう。
あの世に行って、兄に問えればいいのに__。


そう思いながら映画を観た所為だろうか、クライマックスが近づいてくると、無性に兄に会いたくなって、泣きそうになってしまった。



(まずい。こういうの苦手だった)


昔からファミリードラマとかを観ると、必ず泣いてしまうんだった。

しかも、終わってからも涙が繰り返し出て止まらなくて、この頃はそういうのを敢えて観ないでおこうとしてたんだ。


(まさか、ここまで泣けるとは思わなかったよ…)


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