皇帝陛下の花嫁公募
 目指すは玉の輿。皇帝の花嫁になること。

 リゼットは父王と誓ったはずだが、今はなんだか城を発つのが淋しい気持ちになってしまっている。

 いや、そんな感傷に溺れている場合ではない。しっかりしなくては。

 アマーナリア王国の第一王女として義務を果たすのだ。

 必ずや皇帝の花嫁になり、アマーナリアに富をもたらす。

 それがリゼットに課せられた使命だった。



 馬車に乗り込み、窓から手を振る。

 歓声と拍手に見送られて、リゼットは城を後にした。
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