【短】透明な私と、カラフルなキミ。
1章

"透明なわたしとカラフルなキミ"

「海愛ー?」
「起きてるー」
「そう。降りてらっしゃい」
「はーい」
また今日も一日が始まる。
昨日たくさん泣いたからかなんかスッキリしてるみたい…?
昨日の今日だし、不安だなぁ。
なんも起きなきゃいいけど…

カタンッ
今日もまた昨日と同様教科書類をしまっていた。
㌧㌧
誰かに肩を叩かれた。振り返ると…
「おはよぉ、瀬戸さん」
と 昨日話しかけてきた子。
何か用ですか…
「あのね」
「はい」
「無理だと思うよ?」
「?」
何が?
「瀬戸さんに、【恋愛】とかさっ」
「な、なんで?」
「なんで…ってありえないからよ」
「へ?」
「地味でぼっちで友達いないでしょ?しかも存在感すらないし。 だから恋愛なんて到底無理ってこーと笑」
た、確かに地味だと思うよ?
高校生にもなって髪飾りすらしてないし。
ぼっちだよ?友達いなくて何悪いの?
友達いないから恋愛ダメ?そんなルールなくない?なんなの…
「…ない」
「ん?」
「そんなことない」
「は?」
「そんなルールないもの。友達いなくたっていたって恋愛するのは自由よ。」
「なっ…」
「あ、名前何でしたっけ?」
「は!?…霧島凜乃」
「ありがとう。…霧島さんの言ってることは間違ってるよ。恋愛にルールなんてないから。」
「あっそ。バイバーい」
「うん」
霧島凜乃はグループに戻ってった。
はぁー…疲れた。あの子扱い手強い…
ムカついて思わず言わなくていいこと
言っちゃったかも…?

あしたがまた"普通"でありますように。

そう願っていた。
これから起こることを
知らずに。
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