明治、禁じられた恋の行方

千歳は計3日間、寝込んでいた。




目を開ける。
身体がだるい。
天井をぼんやりと眺める。

私は・・・


ゆっくりと思い出す。
柳原勇について調べてた。

あんまり寝てなかったんだ。

それで、仕事の帰り、馬車に乗り込んで・・・


そこまで考え、がばっと起き上がる。


しまった・・・!


慌てて立ち上がろうとし、手が何かに掴まれているのを感じる。

横を見ると、志恩が寄り添うように寝そべっていた。


「・・・ぇ・・・!?」


その声に、ゆっくりと志恩の目が開く。

透き通るような、色素の薄い目。


「千歳。
 よかった。」


そう言って起き上がると、志恩は千歳を力強く抱きしめた。
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