【短編】最高の誓いを



「意地悪で結構。ほら、そろそろ帰ろ?」


陸の言葉に渋々立ち上がった私は伝票を持って会計を済ます。


「あ、俺払うよっ」

「いーの!菜々様の奢り♪」


すっかり酔いが覚めちゃった私はにこにこしながら会計を済ませてお店から出た。


「…菜々は俺に奢られるの、嫌い?」

「へ?」


陸の腕にしっかり抱きついて駅の近くにある私のマンションに向かって歩いてると、ふと陸がそう問いかけた。


…別に嫌いなわけじゃないんだよ?

だって…今日はほとんど私が食べてたし、お酒代まで奢らせちゃうと悪いかなーって思って……


「そんなことないよ?ただ今日は私がいっぱい食べちゃったでしょ?だから…。」


そう思った通りのことを言ったんだけど、陸は納得してくれてないみたいで……


「…あ、じゃさ!次は陸が奢って?ね?」

「とか言って先に払ったりしない?」

「しないしない!だから…ね?」


にこって微笑みながらそう言えば、陸も分かってくれたみたいでコクンッて頷いてくれた。



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