願わくは、雨にくちづけ

「伊鈴、お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。でも、こんなにプレゼントばかり……」
「いいんだよ。これも、俺の気持ちがこもった大切なものだから」

 爽やかで優美な微笑みは、彼の心遣いが見えるようだ。
 驚きと嬉しさで、またしても伊鈴の瞳は涙で潤んでいく。


「俺は、どんな出会い方をしても、たとえ生まれ変わったとしても、伊鈴に恋をするんだと思う。ずっと隣にいてくれないか?」
「……煌さん」

 突然のことにとうとう伊鈴の頬を涙が伝う。
 琥珀糖のような粒を、立花は指先で拾うように拭った。


 0時を過ぎ、伊鈴の誕生日を迎えた頃、彼がブルーの小箱をゆっくりと開いた。
 内側はシックなベルベット素材で、輝きが一層映える。

 そして、改めて伊鈴の前に置いて、小刻みに震える彼女の手を取った。

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