彼女に落ちるまで~甘い運命 修一side


酒の力を借りて、彼女とプライベートな話をすべく、色々と話題を振る。

好きな食べ物や映画、好きなこと。もの。

いつもはあまり自分の話をしない彼女が、簡単に情報をくれる。

それがまた、楽しかったり興味深かったり。
自分の琴線に、ひたすら触れてくる。

話をしていくうちに、自分の中のパズルが、ピタリピタリと填まっていく感覚。

空白だったところまで、埋まっていく始末。

──ああ、これはもうダメだ。

この人以外に、ありえない。

そんな事を思い始めていた頃、どうやら完全に酔っ払ったらしい彼女が聞いてきた。

「三上さんってぇ、下の名前は何でしたっけ~?」

「ひどいな、覚えてないの?
修一っていうんだよ?

──ね、忘れてたペナルティだよ。
名前で呼んでみて?」

彼女に名前で呼ばれたい。
強い、強い欲求。

でも、いや~無理です~と言いながら、ひたすら照れる彼女は、なんだかとても可愛らしくて。
ついからかいたくなって、ニヤリと笑って口を開いた。

「じゃ、ペナルティはキスに変更しようかな?」

「修一さん!」

速攻かよ!!


< 9 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop