男には負けません。
ある日の始業式






なおside









「ーえー、そういうわけで皆さん
2学期も頑張りましょう。」





長い校長の話も終わり、大人しく教室に戻り
長い担任の話が始まる





「〜〜〜〜って聞いてねぇなお前らは。
まぁ、いい。よぉし!転校生紹介するぞ〜」



「まじ!?女!?男!?」



「かわい子ちゃんがいい〜!」



「イケメンかな〜!」






興奮する男子と女子は目が爛々としている





「男共よかったな、よし入ってこーい!」





担任がにやりとして転校生を呼ぶ
そしてガラッと入ってきたのは
誰もが目を奪われるような女の子だった





「「「かわいぃー!!!!」」




思わず女子もが声を出す




「は、はじめまして!柏木 ゆうなです!」





みんなの前に立って緊張しているのか
もぞもぞしている様子の転校生




「春日の席は〜…あー、わりぃ柏木…。
お前の席は
あの1番後ろの態度悪ぃヤツの横」





と先生が指を刺したのは俺の隣
女子からは多数のブーイング





「えぇ!そんなんなら私が変わろうか!?」

「先生、席替えしようよー!」




柏木は先生が指を指した俺の隣の席を
目指し歩いてきた
そして椅子を引き、ちょこんっと座り前を向く




「え〜かわいい〜!」



「ねぇねぇ俺とデートしなぁい?」





あんまり人見知りをしない
かおるとりゅうやが
春日に話しかける





「あ、すいません。えと、あの…」





どうやら話を聞いていなかったらしい柏木
俺らを目の前にしてこいつ大物かよ





「ぶ!あはは!ゆうちゃん面白い!」



「ゆ、ゆうちゃん?」



「ゆうなだからゆうちゃん!よろしくね!」





完全にかおるにペースを
持ってかれている柏木
そして俺たちを見渡した





「自己紹介しなきゃね〜
まずは〜俺から〜廣島りゅうやだよ?」



「廣島く「りゅうや」りゅ、りゅうやくん」



「次は俺ね!俺は宮本かおる!!」



「宮本く「かおる!!」かおるくん…」



「俺は相原ごう」



「相原くん…」




ごうは否定しねぇのか…




「で!こっちの怖そうな顔が「春山しんや」」





ごうの言葉を遮りながらしんやが声を出す
珍しいな、しんやが女子に名前言うとか





「で〜こっちのえら「菅野なお」」





そして最後に俺がりゅうやの言葉を遮って
名前を呼んだ





「し、しんやくんに、なおくん…」




と顔を赤く染める柏木




「で!俺らはね〜…鬼桜の幹部なんだ!」



「き、きおう?」




どうやら鬼桜の存在を知らないらしい…




「へぇ〜珍しいね〜俺らのこと知らないとか」



「ぞ、族がなんかですか…?」



「そう!俺らは族!」



「へ、へぇ〜そうなんだ〜」



「ねぇねぇ!ゆうちゃん!俺らの倉庫来ない?」




…勝手に誘ってんなよ




「え、でも…ダメなんじゃ…」



「えぇ…いいよね!?なお!!」




はぁ…本当にめんどくせぇ…
とため息をつくと




「ほら、なおもいいって来なよ〜」




え、言ってねぇけど…?




「じゃ、じゃあお邪魔してみようかな…」



…は?まじ?来んのかよ



「あ、あのだ、ダメですか…」



上目遣いで尋ねてくる柏木に不覚にも
可愛いと思い、顔を違う方向へ




「あぁ!なお照れてるー!」




くそ…バレた




「おいで!ゆうちゃん!ウェルカムだよ!」




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