手をつないだからキスをしよう!
「では………あらためて言います。
彩ちゃん、俺とお付き合いして下さい。」

そう言って渡されたのは………

さっき海晴が持ってた綺麗な箱。

中味は…………なんの飾りもないネックレス。

「手を出して」

左を出したら「今はこっちね!」と笑って

右手をつかむと………くすりゆびに……可愛いハートがあしらわれた指環。

「海晴ちゃんにバースデープレゼントを聞かれて答えたら……
幼稚園で首に出来るように、ネックレスがあると良いって教えてもらったんだ。
さすがに今日の今日だと用意出来ないって言ったら
『彩の幸せのため、一肌脱ぎますか!』って男前発言で
買いに行ってくれたんだ。
あっ!でも……メインの指環は俺からね。
ネックレスは…………海晴ちゃんからのプレゼントらしいよ!」

「もしも私が断ったら………どうするの?」

「バレンタイン………記憶していたのに……言わなかったから大丈夫って思った。
俺を意識したって時点で………悠人は消えたからね!
後は、身近にこんな優しい俺がいて………落ちない訳ないでしょ?」って

強き発言をして笑ってる。

でも……そうだよね。

こんなにいつも笑ってて………暖かい洋ちゃんだもん。

絶対!恋に落ちるよね。

「はい。よろしくお願いします。」

誓いのキスは、おでこでも指先でもなく………

長く暖かいぬくもりでした。
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