自由だねと、君は笑う
「...まずは、創立100年目という、節目ある年に首席入学できたことが、喜ばしい一点です」

昨日、台詞を覚えてきた。

「オープンキャンパスで来校した際には、ここと決めていました。秋園学院は、勉学・礼儀・友愛をモットーにし、市、いや、日本が誇る『完璧校』と言われています。ですから、ここと決めていても、やはり自信があったとは言えなかった」

顔を輝かせて話を聞く者、気怠そうに話を聞く者。____次には、そのどれもの人が同じ顔をするであろう。

「ですが、受験当日の朝、母が言いました」

私は深呼吸をし、最大の笑顔で、

「『受験はしなくていい。君は特待生として入学式に来て欲しい。とのことだそうよ』と」



そう言った瞬間、体育館に悲鳴が響く。
構わず話を続ける。

「保護者の皆様、騙されてはなりませんよ。この学校は、このような不正を堂々とします」

微笑み、一礼。檀上をおりる際、横目に校長を見た。
...案の定な顔面蒼白だった。教員たちは校長に何事かを言っている。





< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

#ふわりちゃんは女番長
藤原滓/著

総文字数/180

恋愛(キケン・ダーク)1ページ

表紙を見る
君と過ごした冬を、鮮明に憶えていた。
藤原滓/著

総文字数/8,493

青春・友情21ページ

表紙を見る
ありがとう。-先輩、もう会えないのですか-
藤原滓/著

総文字数/3,547

青春・友情8ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop