シンデレラは騙されない


凛様の想いが私の琴線に触れて涙が出そうになる。
恋をするってこんなに心が熱くなるものなの…

「じゃ、俺はまた会社に戻るから」

「え?」

凛様は私に手を振って、颯爽と元来た道を引き返していく。

「り、凛様、中華まん…
中華まん、一個残しておきますから」

……だから、部屋で待ってます。
という言葉は胸の中にしまった。

凛様が来るか来ないかは分からないけど、中華まんは凛様のために取っておく。
もし来た時にそれがなかったら、きっと子供のように残念がると思うから。

凛様は星矢君の部屋に必ず顔を出す。
そう、今日の中華まんの夜みたいに。

星矢君を交えて英語で会話を楽しむ私達の関係は、凛様いわく誰も何も言えないし言わせない関係だという事。

私も凛様もアメリカで過ごした時間が長く、偶然にもハイスクールが一緒だった。
星矢君の英語力向上にはネイティブ的は環境が必須で、嬉しい事に星矢君の英会話は日に日に上達している。



< 123 / 290 >

この作品をシェア

pagetop