シンデレラは騙されない


星矢君は私を見てニコニコ笑った。
まだ子供だから、ニヤニヤじゃないと思う。
私はさりげなく星矢君に見えるように首を横に振った。
でも、星矢君に伝わるはずもない。

「麻里先生ね~、悠馬さんとお見合いするんだよ。
もうお見合いしたんだっけ?
悠馬さんがこんな風に写った写真を、この間一緒に見たんだ。

ね、おばあちゃま」

会長もまた嬉しそうに頷く。

「平塚悠馬さんよ。
凛太朗もよく知ってるでしょ?
綾が麻里さんの話を悠馬さんにしたら、何だかすごく気に入ったらしくてね。
でも、綾から、あまりその話はしないでいてって言われてるの。
その先は二人のペースに任せたいからって。
まずはお友達からだものね、ね、麻里先生」

星矢君は凛様の膝の上で、写真の平塚さんの澄ました顔を真似て凛様に見せている。
私は会長に微笑みかけ困ったように頷いた。

すると、またそこで専務が助け船を出してくれる。

「星矢、麻里先生が待ってるだろ。
もう、お勉強の時間だよ。
凛太朗君とはその後でまた遊べばいい。
分かった?」



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