あの日のメロディー

話し合い


そんなことを考えながら外を眺めているうちにホームルームが始まった。私はヘッドホンを首まで下ろす。


「今日のLHRは合唱祭委員に任せる。俺は一回職員室戻るから終わったら委員のやつ呼びに来てくれ。決めること決めるまで今日は放課後も帰れないからな。ちゃんとやるんだぞ〜」

『え〜!!!』

先生はクラス中のブーイングの声など無視して、それだけ言い残して出て行った。


実行委員の松延 莉奈(まつのべりな)が前に出てきた。彼女は明るくて元気で男女問わずすぐに仲良くなれるタイプ。でもサバサバしてるのとはなんか違くてクラスでも人気の存在。


「はぁーい!まずは合唱祭で歌う自由曲を決めたいと思いま〜す!みんなどんどん意見出してね〜」

まだ5月だというのにもう夏休み明けの合唱コンの話か、、流石に早くないか、、


『えーやっぱりJ-POPがいいよね』『いや、この時代K-POPだろ』『あえての卒業ソングとか歌っちゃうのもありじゃない?』


みんなの意見が飛び交い教室がざわめき始める。

うちの学校は高3になると受験生という理由で合唱祭には出れない。だから高2の私たちにとって最後の合唱祭。

私は読書を始める。合唱祭とか最後だとかどうでもいい。私にとって一番嫌いな行事だ。

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