好きって言わなきゃヤダ。【完】
余りにも真っすぐな目で言うから


アタシのほうが恥ずかしくなる。




本気で言ってるのか、それとも冗談で言ってるのか。


那央の真意を知る術はアタシにはない。




…でもホント、アタシの扱いになれてるね。




アタシが喜ぶことをいつも平然としてくれる。




少し呆れたように、そして嬉しそうに。


アタシは小さく笑みを零した。




「ねえ、那央。引っ越した後の話、聞いてもいい?」


「うん、いいよ。」


「那央はこの2年、どうやって過ごしてた?」




アタシの質問をきっかけに


別れてからの互いの話を始めた。




那央が何をしていたのか。


アタシがどう過ごしていたのか。




まるで昔に戻ったように


アタシ達はお互いのことを話し、笑いあった。




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