重なるてのひら ~ふれあう思い~
そうして突入した12月。

世間は、ツリーにサンタ・赤に緑にゴールドと………

きらびやかに輝いている。

テレビをつけても

年末年始のコマーシャルやクリスマス特集。

ドラマもアニメも……クリスマスソングのBGMが流れてる。

綺麗な女優さんのイルミネーションの点灯式は

いつか卒業したら………先生と見たいなぁと憧れる。

外の寒さと重なって………

先生が、本格的に恋しくなった夜。

久しぶりのコールが鳴った。

「もしもし………。」

ドキドキして………話したいことは沢山あったはずなのに………

声が出なくなった。

「もしかして……寝てた?」

何も話さない私を心配して………

まだ9時を回ったばかりなのに、そんな事を聞く先生。

「いいえ、起きてます。
久しぶり過ぎて………言葉が見つからなくて。」

クスクス笑いながら「さっきまで、会ってたのに?」って。

だって………それは生徒と先生だから………。

「彼氏としての先生は……久しぶりだもん。」

「可愛いこと言うね。
でも、俺もそうかな?冗談にしてないと………間が持たない。」

僕や私と言わない………少し乱暴な言葉遣いの先生。

この話し方に………いつか慣れるのかな?
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