僅か30センチの恋
李人「...そっか。」
多田「でも、ありがとうございました。
私に大切な事を教えてくれて。」
李人「大切な事って?」
多田「私も1歩進む努力をします。
振られてもいいから...ちゃんと
翔吾に好きって伝えます。」
決意した彼女の表情を見て
綺麗だなと思った。
そんな逞しい彼女の有志を
最後まで見届けたくなった。
李人「見届けてもいいかな?」
多田「どうしてですか?」
李人「俺も多田さんから勇気を貰いたい。
大切な事を教えたお礼、返してよ。」
こんなひねくれた言い方しか
出来ないけど。
多田「分かりました。
見届けて下さい。
お昼休みに翔吾と話します。」
でも、そんなひねくれ者の俺にも
彼女は笑いかけてくれた。