僅か30センチの恋
李人「また唐突な事を...」
涼美「護おじちゃんは
いなくなっちゃったけど
この家はまだ生きてる。
リトと私の秘密基地にしようよ。」
李人「秘密基地って...歳考えろよ。」
いつものようにあしらうと
スズは写真立てを大切そうに抱き締めた。
涼美「大人になったからこそ
必要なんじゃないかな?
仕事に追われる日々。
変わり映えのない日常。
親からの期待とか圧力。
まだ結婚しないの?恋人は?
なんていう友達の言葉。
嫌な事や辛い事や悲しい事。
理不尽な事...いっぱいある。
だからこそ何もかも忘れられる場所。
何にも考えない時間って
必要なんじゃないかな?」
時々、見せる真剣な表情。
いつもと違うその表情に
いつもの何倍もドキドキした。