きみと1番目の恋

郁人「答えが欲しいの?」

翼「え?」

郁人「翼さんはその答えが知りたいの?」

翼「うん、出来れば。」

郁人「大事なものの見つけた方を
知れば、見つけられるの?
てゆーか、翼さんには本当に
大事なものってないの?」

刃物のように胸にズキズキと
刺さる言葉を繰り返す彼に
より強く苛立った。

翼「これだけは絶対だ!
これだけは譲れないって!
思った事なんて、私はない。
...2番でいいはずがないんだよ。
私だって1番になりたいよ。
でも、本当は...武彦の事だって
心のどこかで諦めてる。
1番にはなれない。仕方ない。
私は、2番手の人生を歩む
星の元に生まれてしまったって...
そう思うしかないの。
だって、私は生きなきゃならない。
明日も明後日も、ずっとずっと
生きなきゃならない。
どうにもならない事を考えたって
辛くなるだけだから、考えたくない。
けど...、寂しいって
思う夜はいっぱいあるよ。」

初めて、私は後悔した。
彼に対して何も考えずに言葉にした事を。
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