テレビの感想文
もうだいぶ昔、10年ぐらい前のことですが、お笑いのライブを観に行って、ライブ終わりに、劇場の外に出てきた芸人さんと少し話をすることができたとき、
数メートル離れたところから、見知らぬ人がこちらの写真を撮っている、なんてことがありました。その人は何も言わず、その芸人さんに写真を撮っていいですか、と許可をとることもなく、ただ撮って、去っていきました。

そのときの不快さ、いまだに思いだせる。自分が知らない人に撮られているかもしれないという気持ち悪さ。

誰でもカメラマンになれるし、誰でも世界中に発信できるし、それは言いかえれば、自分の知らないところで誰かが自分を知っている、なんて現実もありえるわけです。


芸能人の誰かがバッシングされると、まるでベルトコンベアに乗せられた商品が、自力では動けないものに運ばれていくように、騒がれ、たたかれ、そしてそのうち何も言われなくなって、無になっていく。一連の流れが、型どおりというか。型のようなものは昔と変わらないけど、いまはまるで花火みたいだな、と。

花火は見ていて楽しいものだけど、花火のもとになっているのは何なのか。人をたくさん集め、注目させておくには、花火一発じゃ足りない。同じ色や形の花火じゃ飽きられる。
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