did…君に恋する奇跡…
殴れる度に……感覚は麻痺してくる。

「深華、大丈夫か?」


「うん、優……ありがとうっ」

いつも、君に励まして貰ってる。

私は、人格………だから、痛くない。

痛みを忘れたーーー。

"悪魔の子"ーーーー。


"死ね!!"ーーーーー。

痛みはない。
痛みを忘れた。


忘れた…………。

なのに………「泣いてるの?深華」


泣いてるーーー?

感情は捨てた。
なのに、泣き方を思い出した見たいに涙を流すんだ。

「泣いてもいいよ、人格だって……心はある」

いつも、君は私を励ます。
そんな君に、恋をしてるんだ。

君の一つ一つの言葉が嬉しくて、これから先ずっと、一緒に居られるって思ってた。
何年経っても変わらず、愛してーー。

これからも、変わらないって……

だけど、サヨナラはすぐ近くにあったんだ。

私が現実世界で付き合ってる彼と、結婚することになった。

そして、お腹に赤ちゃんを身籠った。

50人以上の人格。
不安はあった。

だけど、君を妊娠して変わったことがある。


居ないの…………人格が居なくなった。

声が止んだ。

あんなに賑やかな頭の中は、空白だった。


「大丈夫、深華は大丈夫だよ」

何が、大丈夫なの?

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