恋の始まりの物語
エレベーターの中で、他の人に気付かれぬよう、溜め息をつく。


あー、驚いた。
会いたくなかったから、いつもより一時間も早く来たのに、まさか会うとは。
──でも、普通にできた。
偉いぞ、私。


自分を誉めながら、止まっていたように息苦しくなっていた呼吸を整えた。あまり空気はよろしくないが。

営業の彼は三階、総務の私は五階。
今日はもう会わずに済むだろう。
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