一途な彼にとろとろに愛育されてます



「相変わらず仲良いねぇ、長嶺ちゃんと檜山くん」

「別に良くないです!向こうがいちいち突っかかってくるんですよ」

「それが仲良しなんだってば。あーあ、あんなイケメンと同期で仲良いとか羨ましい」



仲良いっていうか、ただバカにされてるだけっていうか。

悪かったな、ご飯に行く彼氏もいなくて……。



先輩と話しながらちら、と後ろを振り向く。

すると背後の角を曲がる間際にたまたまこちらを見た檜山と目が合った。



その瞬間檜山はふっと小さく笑って去っていく。

それは『またな』と言っているようで、ふたりの秘密の合図のように感じられた。


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