高本さんちのそこそこ男子

委員会

教室に入ると、チョコに拉致られていった晃陽は、自分の席に突っ伏してすやすやと寝ていた。


チョコの方を見ると、晃陽から貸してもらったであろうノートを必死に写している。


今回の課題、何気に量多かったからなぁ…


なんて、他人事のように思いながら、自分の席に鞄を置く。


私と綾愛、チョコに晃陽は同じクラスで、たまに4人で遊んだりもする。


3人といると落ち着くし、楽しいからもっと遊びたいな、と私は思うんだけど、綾愛はあまりそうは思わないみたいで。


口には出さないけど綾愛は多分、チョコみたいなタイプの人間はどうも苦手らしい。


綾愛とはあまりコイバナらしいコイバナはしないんだけど、前にしつこく聞いたときに「…うるさくない人がいい」って言ってたから、なんとなくチョコは、少なくとも綾愛の好きなタイプではないかなって。


「晃陽!これなんて書いてあるんだよ!!」


「んなもん自分で考えろ」


「晃陽の字汚くて読めねぇんだよ!ここだけでいいから教えて!」


「ったく…どう見ても数字じゃねぇかよ」


「これが!!?ありえねぇ!」


…うん、黙ってたら二人ともそこそこ人気あるのに…


なんだかなぁ。、


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