その悪魔、制御不能につき



「欲しくなったんだから仕方ないだろう」


「ちなみにどういう意味でか聞いても?」


「……意味」



少し沈黙する鷹斗。なんでも明瞭に答える鷹斗にしては珍しいですね。言い淀むなんて。


仕事的な意味で逃したくないのかただ単に気に入ってそばに置きたいのか、それとも男女の恋愛的なものなのか。私は男女間のことだと思ったのですが。



「……そばに置いておきたい。できれば彼女にもそう望んで欲しい」


「おや、鷹斗にしてはまともですね」


「最終的には孕ませて閉じ込めたい」


「そんなこともなかったようですが」



そうか?と首を傾げる姿に苦笑してしまう。


孕ませてって、完全に彼女の意思はなくてもするってことでしょう?鷹斗のことですからそう遠くない未来でそれは決行されるのでしょうが…まぁ鷹斗らしいですか。


デスクに座って仕事の続きをする彼の補佐のためにこちらも必要な資料を用意する。鷹斗に目をつけられた彼女に同情はするが所詮私も鷹斗と同じ穴の狢ですから。



「早い段階で諦めてくれたらこちらも助かりますが、」



さて、どうやって彼女を鷹斗のもとに落としていこうか。



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