あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「あはははは! 何ー、藍! 水野くんのプライベートが気になるなら、自分で本人に聞いてよー!」

「え……」

「そうだよ〜! 聞けば教えてくれるってば!」

「やっぱり水野くんのこと気になるんだね〜」


みんなからかうように言った。どうやら私が好きな人のことをただ単に詮索しているのだと思ったらしい。

みんなは気にしてないようだけれど、やっぱり色々変だ。

水野くんは、1年生の頃はこの学校に存在していなかった……?

いや、そもそも。

私が初めて彼のことを知った七回忌の次の日より以前に。

彼は本当にこのクラスにいたのだろうかーー?

気になって気になって仕方がない。彼が一体何者なのか。なぜ私ものだったミサンガを持っているのか。

ーーだけどなんとなく、私から聞くのはいけないことな気がして。

だって彼が何も言ってこないから。

私にミサンガを落としたことを知られたくない理由はわからない。

でも「知られたくない」というだけでミサンガが私の物だと彼が知っているということに他ならない。
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