あの時からずっと、君は俺の好きな人。
過去に存在した幸せな時間が、私の手から零れ落ちてしまったことを、実感するのが怖くて。

ーーだから見ない。最初からないものだと思い込む。

私には両親との幸せな時間など、存在したことなどなかったと。これまでも、これからも。

私はなるべく写真を見ないように、手探りで散らばった写真をかき集めた。そしてアルバムに適当に挟み、本棚へと戻す。

そして私はベッドに身を投げ、天井を眺めた。

ーー私は苦しいのだろうか。
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