あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「ありがとう! みんな喜ぶよ」

「うん。ーー藍、ここ最近元気だよね」

「え?」


なっちゃんはいまだに微笑んでいたけれど、言葉の節々に切なげな感情が混ざっているように聞こえて、私はなっちゃんの顔をマジマジと見た。


「ここ数日かな。ーーなんか一生懸命っていうか、生き生きしてるっていうか……上手く言えないんだけどね」

「……そうかな」


たぶん、数日前に水野くんと倉庫で話してからだろう。

あの後から、私は練習で頑張るみんなを心から応援できるようになろう、と日々を過ごしていた。

まだ上手くできている気はしないし、ふとした瞬間に後ろ向きな考えが復活してしまうこともあるけれど。


「ーー例の事故のあと、藍のそんな姿は初めてで。私嬉しくて」

「…………」


なっちゃんは涙ぐんで言う。

ーー今思えば、水野くんが私が空っぽな人間であることに気づくくらいだから、当然なっちゃんもそんな私を見抜いていただろう。

うまくやったいたつもりだったけど、私って演技力ないんだなあ。
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