セカンド・プライオリティ
「ーーー…」

瞼を開くと目に映ったのは見慣れた天井で。

あぁ、久々にやらかした…

まだぼんやりとする頭はあまり働かなくて。
とりあえず乾いた喉を潤おそうとゆっくりと身体を起こした。

「…ん?」
そんなとき耳に届いたかすかな音。
それはこの頃はほとんど聞くことのなくなっていた、私の大好きな音で。

「涼くん!?」
「…美己。ごめん、勝手にキッチン借りたよ」

そこにいたのは、苦笑いを浮かべた森ちゃんだった。

「ご、ごめん…私ってば…」
「ううん、気にしないで。お粥作ったけど食べる?」
「ありがとう…少しだけもらおうかな」
「持っていくから、寝室で待ってて」

そうだ私買い物に行って、急に寒気がしてきて…
心配かけた森ちゃんのこと涼くんと勘違いするなんて、なんて失礼なんだ私は…

しんどいやら申し訳ないやらいろんな気持ちで溢れそうになる頭を抱えながら、私は再び寝室へと足を向けるのだった。

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