アーティスティックな男の子。






ガラガラガラ


『こんにちはー。』


「こんにちは。」


「こんにちは、ゆきさん、真希さん。さて、後は瑞希君と雪音君と玖音君だね。」


『雪音先輩は多分どっかで寝てます。』


「玖音は多分迷子にでもなってんじゃね?アイツ、未だに校内さ迷ってっから。」


『マwジwかwよw』


「しかもこれが“俺は迷ってねぇ!”っていうもんだから、また困るよな。」


「確かに言いそうね。」


『素晴らしい個性だね。』


ガラガラガラ


「二匹拾ってたらだいぶ遅くなった。」


『瑞希!拾ってきた…って、あー…。』


納得。


「なんだよその目は!!迷ってねぇから!!」


「眠…。」


『お疲れ様でーす。』


「さて、みんなが揃ったところで。お察しの通りなんですが、舞台の脚本が仕上がりました。」


『おー!』


拍手が起きました。


「これが台本と設定資料。」


ペラ…。


「ふーん、この学校を舞台にした和風ファンタジーね。…うん、いいんじゃない?衣装の作りがいありそう。」


舞台は私立藤嶺高校。


これは陰陽師の主人公と一人の鬼の物語。


『和風…か。じゃあ二胡使いたいなあ。』


「それ中国の楽器だろ。」


『気にしない、気にしない♪』


いいねぇ、桜とか吹雪いて欲しい。


「主人公は安倍晴啓アベハルノブ。この役が桃李ね。」


「…ああ。」


「準主人公は前野春樹マエノハルキ、春鬼シュンキ。この役を玖音君。」


「分かりました。」


「主人公の妹、安倍明歌アベハルカ。この役を真希さん。」

「分かりました。」


「主人公のライバル、藤堂八雲トウドウヤクモ。この役を尚斗君。」


「了解っす。」


「そして、ゲストとして舞台俳優の桜木恭介サクラギキョウスケさんを迎えます。」


『げ』


「?どうかしましたか?ゆきさん。」


『…なんでもないです。』


「桜木さんは鬼の長…つまりラスボス役を演じてもらいます。その他、演劇部も入る予定です。舞台裏のスタッフはボランティアを募る予定です。」


「壮絶なバトルが起こりそうね。」


「音楽監督はゆきさん、衣装監督は瑞希君、メイクチーフは悠君、美術監督は雪音君。あ、あと舞台設営監督は2年の浅沼幸樹君がやります。」


『あ、そうなんだ。』




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