Aliceーアリスー




真っ黒で艶かな髪は綺麗に後ろにまとめられ、その黒い髪とは相反するような真っ白な肌。

真っ白な肌に栄える印象的な真っ赤な口紅に、身に纏うのは真っ赤で豪華絢爛なドレス。

そこには年齢不詳の美女が数十人、いやここから見えないだけでもっとたくさんのトランプの男を従え、凛とした佇まいで立っていた。


まさに私のイメージしていたハートの女王様そのものだ。


「今日はクロッケー大会の日よ?皆が集まるというのに私の自慢の庭に白薔薇があるだなんて……。いつも何でできないのかしら?腹ただしい」


バサッとどこから出したのか真っ赤なセンスを広げ、パタパタと動かしながら女王様が庭師を順番に睨みつける。


「全員死刑でよろしくて?」


声音は優しい。

でも目も顔も何もかも笑っていない。

女王様が怒っていることが見ているだけでもひしひしと伝わってきた。


「「「……っ」」」


女王様の言葉は絶対なのか庭師たちは絶望した表情を浮かべながらも何も言えずただ下を向く。


え!?ちょっと待って!








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