Aliceーアリスー




「じょ、冗談!冗談だよ!女王様!」


恐怖心をぐっと堪えて何とか女王様に微笑んで見せる。


「フフッ、冗談でもそんなこともう言わないでちょうだい。いいわね、アリス」


するとそんな私を見て女王様はそれでもあの恐怖の微笑みを崩すことはなく、私に微笑んできた。


まさに恐怖の微笑。

もう二度と見たくない。


だけどここにずっといることになると元の世界には当然帰れないし、せっかく面白い世界に来ているのに冒険することすらができない。

そして何よりも白ウサギに会うことができない。

それだけは何としても避けたい。


逃げるならきっと狂気のクロッケー大会。

1人で逃げるより帽子屋たちに協力してもらう方がずっと効率よく、確実に逃げられるはずだ。


女王様と狂気のクロッケー大会に向かいながら私は逃走方法を黙々と考え始めた。







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