君と見つける、恋の思い出

誕生日



叶花の入院生活が始まり、一週間が過ぎた。



俺やこっこは放課後、毎日叶花のお見舞いに来ていた。


そして、まだ夏休み中の結斗さんも。



「学校、どんな感じ?」



学校を辞めても、その様子が気になっているらしく、叶花はほぼ毎日こっこにそう聞いていた。



「どうって、そんな変わらないよ。強いて言うなら、さくらの退学理由の予想大会が行われてるくらい」



……誰にも説明できないから、まあそうなるよな。



ほとんどの人が、学力方面で考えそうだが。



「こっこ、言ってないの?」


「……言えるわけないでしょ」



こっこは叶花の質問に呆れているように見えた。



そりゃそうだ。



入院決まって、学校通えなくなったから、退学。


そんなこと、言えるわけない。



「じゃあ、どうしてるの?」



どうしてるの、とは。



どんどん変な予想、噂が広まることへの対応ってことか?



「こっこは私と一番近くにいたから、質問攻めされてない?」



叶花はこっこを心配しているようだった。



なるほど、そういうことがあるのか。


そう言われると、気になる。



「知らないって、言い切ってる」
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