君と見つける、恋の思い出
喧嘩
なんら変わりない日が、さらに一週間続いた。
放課後になると、真っ直ぐ病院に向かう、そんな日々。
こっこはテスト週間に間近ってことで、来る回数が減ってる。
「あの!」
受け付け前を通り、叶花の病室に行こうとしたら、後ろから誰かに呼び止められた。
立ち止まり顔を見るけど、知らない。
「あの、永瀬亜美、です」
……ああ、知ってた。
本当に顔やら名前やらを覚えるのが苦手だな、なんて思いながら、彼女が言おうとする用事を待つ。
「あの、叶花ちゃんの病室に行きたいんですけど、忘れちゃって」
……ほう。
それはまたなぜ。
「やっぱり、迷惑ですよね……」
……しまった。
迷惑なのは、俺だけだ。
叶花が歓迎しないわけない。
「……こっち」
俺はいつもより少しペースを落として、目的地に着いた。
「……これはまた、珍しい組み合わせだね?」
俺も思う。