君と見つける、恋の思い出


それだけじゃなくて、ルーズリーフを四つ折りにした手紙も入っていた。


それだけを取り出し、開く。



『生きて』



大きく、この三文字が太いペンで書かれていた。



次第に文字がぼやけていく。



このメッセージと、叶花の最後の言葉が繋がる。



「同じ十年だったけど、先輩はさくらのなにも見てなかったんですね」



……耳が痛い。



「さくらの隣にいる、自分の寂しさを紛らわすことしか頭になかった。本当に、バカですね」



さすがに言いすぎだと思う。



「……こっこに」


「私に? わかるわけないって?」



こっこは俺の言葉を遮った。


それが、怒らせたんだと感じたが、なんで怒ってるのかはわからない。



「わかるわけないじゃないですか。まあ、どれだけ一緒にいても、わからないと思いますけど」


「……なんで言い切るんだよ」


「だって、先輩は自分のことを話さないじゃないですか」
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